捨てコンクリートの厚み、その役割と適切な厚さの決定

捨てコンクリート、通称「捨てコン」は、建物の基礎工事において、非常に重要な役割を担っています。建物の基礎を構築する前に、地面に直接打設されるコンクリートのことですが、その厚みは、建物の種類や地盤の状況によって異なります。この記事では、捨てコンクリートの役割、適切な厚みの決定方法、注意点について詳しく解説します。まず、捨てコンクリートの主な役割は、以下の3つです。1つ目は、基礎を作るための作業足場としての役割です。捨てコンクリートを打設することで、地盤が安定し、基礎工事を行うための作業スペースを確保することができます。2つ目は、基礎の墨出しをするための基準面としての役割です。捨てコンクリートを打設することで、基礎の位置や形状を正確に墨出しすることができます。3つ目は、基礎下の防水シートを保護する役割です。捨てコンクリートを打設することで、基礎下の防水シートが、直接地面に触れることを防ぎ、防水シートの損傷を防止します。このように、捨てコンクリートは、基礎工事をスムーズに進めるために、欠かせない役割を担っています。捨てコンクリートの適切な厚さは、建物の種類や地盤の状況によって異なります。一般的に、住宅などの小規模な建物の場合、捨てコンクリートの厚さは、50mmから100mm程度が推奨されます。しかし、地盤が軟弱な場合や、建物の荷重が大きい場合は、捨てコンクリートの厚さを厚くする必要があります。また、捨てコンクリートの厚さは、設計図書に記載されている場合が多いため、必ず設計図書を確認するようにしましょう。捨てコンクリートを打設する際には、以下の点に注意する必要があります。まず、捨てコンクリートは、地盤を平らにしてから打設する必要があります。地盤が凹凸があると、捨てコンクリートの厚みが均一にならず、基礎工事に支障をきたす可能性があります。また、捨てコンクリートは、打設後、十分に養生する必要があります。養生期間が短いと、捨てコンクリートが十分に硬化せず、強度不足になる可能性があります。捨てコンクリートは、建物の基礎工事をスムーズに進めるために、欠かせない存在です。適切な厚さを決定し、正しく施工することで、建物の安全性を確保することができます。