新築やリフォームした家の基礎部分、特に化粧モルタル仕上げの場合、ひび割れが気になる方もいるのではないでしょうか。基礎のひび割れは、建物の安全性に関わるのではないかと不安になるかもしれませんが、化粧モルタルのひび割れは、必ずしも構造上の問題を示すものではありません。しかし、放置しておくと建物の劣化につながる可能性もあるため、原因を理解し、適切な対応を取ることが大切です。まず、化粧モルタルにひび割れが発生する主な原因について見ていきましょう。最も一般的な原因は、モルタルの乾燥収縮です。モルタルは、施工後、水分が蒸発する際に収縮します。この収縮によって、表面にひび割れが発生することがあります。これは、モルタル自体の性質によるもので、構造的な問題ではありません。次に考えられる原因としては、地震や地盤の沈下による影響です。地震の揺れや地盤の沈下によって、基礎に力が加わり、モルタルにひび割れが発生することがあります。この場合、ひび割れの程度によっては、建物の構造的な問題に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。また、施工不良もひび割れの原因となることがあります。例えば、モルタルの配合が不適切だったり、下地処理が不十分だったりすると、ひび割れが発生しやすくなります。では、化粧モルタルのひび割れを放置しておくと、どうなるのでしょうか。最も懸念されるのは、ひび割れから雨水が侵入し、基礎の鉄筋を腐食させてしまうことです。鉄筋の腐食は、基礎の強度を低下させ、建物の耐久性を損なう原因となります。また、ひび割れから侵入した水分が、建物の内部に回り込み、カビやシロアリの発生を招く可能性もあります。そのため、ひび割れを発見したら、できるだけ早く補修を行うことが大切です。補修方法としては、ひび割れの幅や深さによって、適切な方法を選ぶ必要があります。軽微なひび割れであれば、市販の補修材で補修することができます。しかし、幅が広いひび割れや、深さがあるひび割れの場合は、専門業者に依頼して、適切な補修を行うようにしましょう。