長年ガス点検の業務に携わっていると、多種多様な住環境に遭遇しますが、年に数回は、足を踏み入れるのを躊躇うほどのゴミ屋敷に出会うことがあります。私たち点検員の正直な本音を言えば、部屋の状態そのものよりも、作業スペースが確保されていないことへの困惑が大きいです。玄関を開けた瞬間にゴミの壁が立ち塞がり、キッチンまでたどり着けない場合、残念ながらその日の点検は断念せざるを得ません。しかし、私たちは決して住人を蔑んだり、軽蔑の目で見ていたりするわけではありません。むしろ、これほどの状況で生活を続けている方の健康状態や、ガス漏れが起きた際の安全性が心配になります。ゴミに埋もれたガス管が腐食していたり、コンロの火がゴミに引火しそうになっていたりする現場を見ると、一刻も早い改善が必要だと痛感します。過去には、点検のために少しゴミを動かしただけで、大量の害虫が飛び出し、作業を中断せざるを得なかったこともありました。それでも、私たちは安全を守るのが仕事ですから、住人の方が少しでも協力してくれる姿勢を見せてくれれば、精一杯のサポートをしたいと考えています。例えば、すべてを片付けられなくても、コンロの上だけを空けておいてくれるだけで、点検の難易度はぐっと下がります。私たち点検員は守秘義務を守りますし、部屋の状態を大家さんに報告することも、ガス供給の安全に直接関係がない限りは控えるのが一般的です。ですから、どうか恐れずに点検に応じてほしいと願っています。