私の部屋はいわゆる汚部屋を超えたゴミ屋敷です。コンビニの空き容器や雑誌、着なくなった服が地層のように重なり、自分でもどこに何があるのか分かりません。そんな私の元に、ガス点検の黄色いハガキが届きました。見た瞬間、心臓が飛び出るほど鼓動が早くなり、激しい冷や汗が止まりませんでした。点検員さんにこの惨状を見られたらどう思われるだろう、変な噂を立てられないだろうか、大家さんに連絡されて退去させられるのではないか、そんな不安ばかりが頭を駆け巡りました。ハガキを破り捨ててしまおうかとも思いましたが、ネットで調べると点検を拒否するとガスが止まる可能性があると知り、さらに絶望しました。三日間、悩み抜いた末に、私は小さな勇気を出すことにしました。まずはキッチンのシンク周りにあるゴミを大きな袋に詰め込み、何とかコンロが見える状態にしました。玄関からキッチンまでの通路を作るのに五時間かかりましたが、その過程で、自分がいかに異常な環境で暮らしていたかを客観的に見つめ直すことができました。点検当日、私は玄関のドアを少しだけ開け、消え入るような声で「散らかっていてすみません」と言いました。やってきた点検員さんは、一瞬驚いたような顔をしましたが、すぐに「大丈夫ですよ、すぐ終わりますから」と優しい声をかけてくれました。作業中、私は申し訳なさでいっぱいでしたが、無事に点検が終わり、ガスの安全が確認された時、これまでにない解放感を感じました。点検員さんが去った後、私は久しぶりに部屋の掃除を再開しようという前向きな気持ちになれました。ガス点検は、私にとって人生をやり直すためのきっかけだったのです。